インサイドセールスの導入~マーケティングと営業の効果的な組み合わせ
UPDATE : 2020/02/21
営業業績を上げていくためには、プッシュ型(アウトバウンド)の販売だけに頼っていては限界があります。プル型のインバウンドマーケティングを活用することをお進めします。
先ずは、営業とマーケティングの役割分担を考えましょう。営業の目指す姿とは、リアルな目の前の(顕在)顧客に対して潜在ニーズ(ソリューション)を引き出すことにあります。訪問しなければできないスキルです。それに対して、マーケティングの本来の意味は、顕在ニーズ(商品パッケージ)を市場(潜在顧客)に認識させることにあります。市場の掘り起こしですので、内勤者が行う、仕組みに置き換えることができます。どちらもWHOに対してWHATを結び付けるのですが役割が違います。
マーケティングにおける市場(対象層)の絞り方が、セグメンテーション(市場分類)、ターゲッティング(ペルソナ設定)、ポジショニング(差別化)、STPとなります。そしてどのように売るかHOWが4Pです。
マーケティングと営業は競合しているのではなく、補完(共存)関係と考えなければなりません。昨今の売れる仕組みづくりでは、インサイドセールスと営業活動を機能分化させる傾向にあります。プル型とプッシュ型の専門特化を考えるのです。
販売プロセスを次のように分けます。
「インサイドセールス」の目的は、見込み客の発掘、受注確度の向上、営業生産性の向上にあります。すべての営業活動を営業マン、属人的な活動に任せるのではなく、人が訪問した方が受注に結び付く、後半部分、提案、交渉、クロージングに絞るのです。
優秀な営業マンを採用するのが困難なこの時代、顧客の掘り起こし、リードの開拓を内勤者(社員以外やアウトソーシングも可能)やITなどのツールで行い、営業マンの活動を絞り込み生産性を高めることが可能です。アポイントを取るところまでやるかどうかがインサイドセールスの導入事例の分かれるところです。インサイドセールスを行うのは、主にマーケティング部門で、受注実績を分析し、受注確度の高そうな「WHO×WHAT」の商品パッケージに落とし横展開、セミナー、イベント、メルマガ、プレスリリース、WEBサイト(SEO,リスティング広告)などを組み合わせ、リードを創り、営業にトスアップします。営業マンの活動はより絞られた効率的な行動になるのではないでしょうか。
さらに進化している営業組織は、受注後の「既存顧客×既存商品」の納品フォローを内勤部隊が請け負って、営業部隊を納品フォロー業務から解放する体制をつくっています。営業マン個人の活動の効率化だけに目を向けず、「インサイドセールス」と「納品フォロー部隊」の仕組化を検討してみてはいかがでしょうか。
【コンサルタントプロフィール】
和田一男 (株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント) 北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年) |