営業に対する考え方
UPDATE : 2016/08/02
営業に「科学」を
世の中一般の営業には科学が足りない。
市場拡大時代(管理者がトップ営業マンだった時代)の経験則で管理している。
管理者の昔の成功体験をパターン化し、押し付けている。だから売れない。
マーケットが営業理論より先に進んでしまっている。営業変革を考えるに「誰に何を売っているのか?」を
再定義することが重要である。
すなわち、「お客様は誰なのか?」「そのお客様は何を価値として感じるのか?」を整理することである。
マーケティングの焦点が「何をどのようにして売るか」から「お客様はなぜ買うのか?」に移っている。
従って、何を売るか?どのように売るか?より、誰に売るか?のほうが重要な問題となる。
「コンサルティング営業」と「コンサルティング」
「コンサルティング営業」と「コンサルティング」は大きな違いがある。
「コンサルティング営業」は、売るものが決まっていて、その付加価値を販売するためのサービスとして、
使い方や情報提供をもっともらしく提案するのである。商品を売ることが第一である。
「コンサルティング」は商品からではなく、お客様の課題解決、求める価値の実現から考える。
目的に対しての成果のみがコンサルティングの価値である。
やり方、解決方法はある意味問われない。営業として商品を売る場合、その商品価値から逃げてはいけない。
カッコをつけて提案しても、最終的には商品を売ることでしかお客様に貢献できない。
従って、その商品を通じて如何にお客様価値を最大にするかに集中すべきである。
お客様にとって、その商品を通じて実現される満足が目的である。商品は単なる手段なのである。
そもそもお客様は商品が直接欲しいのではない。したがって、提案営業とは、お客様のニーズに
対応した価値を提示することである。お客様のニーズを知らずに提案営業はできない。
商品をうまく説明することではない。それは押し込み営業である。
お客様のニーズにつながることにのみ価値があるのである。
お客様を深く知れば、提案できるネタが湯水のように沸いてくる。
お客様の気づいていない潜在ニーズを指摘できるほど価値が高く、業者からパートナーに近づく。
「探客」と「商談」
営業プロセスは「探客」と「商談」に分けられる。
一般に、営業トレーニングは商談のうちのクロージングプロセスしか訓練しない。
業績に一番影響を与えるのは、探客なのである。確率の高い潜在顧客を如何に多く見つけ出すか。
この部分を無視して、根性論でへたな鉄砲数打っても実に当たらないのである。
「誰に売るのか?」営業マン任せにせず、会社を上げて、探客の強化をするべきである。
また、商談の中では、常に競合を意識しなければいけない。
競合との間で差がつくのは商品知識やクロージングスキルではない。そこにおける差はほとんど微差の問題で、
最も差がつくのは、信頼性である。
今後の営業には、お客様から信頼頂ける姿勢、人間力を高めること事が最も重要となる。
【コンサルタントプロフィール】
和田一男 (株式会社ブレインパートナー 代表取締役 組織変革・営業変革コンサルタント) 北海道小樽市出身。(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント取締役。大学卒業後、1985年(株)リクルート入社。2000年独立し、(株)ブレインパートナー設立、代表取締役就任。経営力強化、実行力強化支援、営業力強化コンサルティング、実行機能としての組織構築、組織変革コンサルティング、人材育成、人事評価制度構築、目標管理制度運用支援を行っている。著書「30歳からの営業力の鍛え方」(かんき出版,2006年)、「ドラッカー経営戦略」(明日香出版社,2012年) |